地方創生大全で分かる地域の問題点と個人レベルで考えるキャリア戦略

最近転職活動をする中で地方創生に取り組まれている企業様のお話を伺い、個人的にもこの手の話題には興味があったので、知見を深める意味でこちらの本を読んでみました。

本書では、学生時代から地方創生事業に取り組まれている著者が、5つの視点(ネタの選び方・モノの使い方・ヒトの捉え方・カネの流れの見方・組織の活かし方)から地域の構造問題について言及。

メディアの多くでは田舎で奮闘する若者移住者や老人の姿など、心温まる綺麗な成功ストーリーばかりが取り上げられるようですが、現実的にはそんな綺麗な話は少なく、殆どが失敗しているらしい。

本書は勿論、地方創生の実態や問題点について書かれたものですが、意外に自身の生き方やキャリアにおいても色々考えさせられる一冊でした。

特産品開発の予算と営業

第一章で取り上げられているネタの選び方。

地方創生と聞くとまず「ゆるキャラ」や「ふるさと納税」を思い浮かべますが、ゆるキャラや特産品、地域ブランドにプレミアム商品券などの問題点について述べられています。

特に気になったのは「特産品」で、著者の経験上では食えたものではない特産品が多いらしく、このような商品が生まれる背景には「基本的に作ってから売りに行く」という流れに起因。

TaNA
初期段階で販売者や消費者が殆ど関わっておらず、商品も他地域と差別化されない上、単に経費を積み上げた結果高価格となり、作ったは良いけど、誰が欲しがるのか分からない特産品は失敗の代表例とのことです。

私自身もWeb上で何かモノを作る時には概ね上の例に当てはまっており、かなり耳が痛いなぁと思いながら読んでいました。作ったは良いけど、誰が欲しがるのか的なサービスとか。

ネット上ではまず自分が欲しいと思うもの(普段不便だと感じる事を解消するモノ)の開発を推奨される方は多いですが、本書では「東京八百屋の会」を引き合いに営業の重要性に言及されています。

強みと差別化とは!?

大抵の地域でブランド化を進めるのは合理的でないと、地域ブランドの問題にも言及。

そもそもブランド化に適さない汎用な地域や商材で戦うのは無理があるし、最近ではコンサルタント頼みで汎用的なブランドばかりが乱立、そもそもブランド形成自体が極めて難易度が高い手法。

この手の話題は自身のキャリア形成にも通じる話ですが、解決策の例を2つ提示されていました。

1. 皆が売らない時期に売る.

2. お店の特定メニューに最適な品種を作って売る.

これらの取り組みは実績を上げる事でブランド化したそうですが、ブランドがあるから商品が売れる訳ではなく、商売の結果として付加価値が生まれ、人はそれをブランドと呼ぶようです。

私自身もキャリアにおいて上記のような観点まで考えが及んでいませんが、最近読んだこちらの本にも同様の内容が書かれており、何事にもマーケティングは大切だと痛感させられます。

本当の知恵とは!?

本書で一番刺さった内容は最後に記載されているアイディアマンの話。

地方創生では外部コンサルタント(アイデアマン)に丸投げする自治体は結構あり、アイデアマンは実行プロセスより、新規性のアイデアばかりを求め、頓挫するプロジェクトが山のようにあるとか。

否定や制約も考慮しないブレスト会議で「とにかくアイデアを出し合いましょう」というお気楽アイデアマンに限って、その人自身は大したアイデアを持っていないという笑えない話も。

POINT重要なのは新旧ではなく、地域の課題を解決、もしくは成長に寄与する事業であるか!!

画期的なアイデアを求める(そもそも出る訳ない)のではなく、目の前の課題から目を背けずに向き合い、小さな取り組みから積み重ね、様々な制約条件をクリアし、結果として成果と言えるものを残す事が大切であると…これは地方創生に限った話だけではありませんね。

TaNA
以前勤めていた会社では社員達がアイデアを出し合い自社サービスを作る取り組みを行なってましたが、まさにアイデア先行で失敗し、非常に耳が痛い内容です。

そもそも世の中は問題だらけですが、何も思い浮かばないのであれば、それは世の中を知らな過ぎるのであって、まずは世の中の問題を知る事からスタートすべきかと再確認させてくれる一冊。